嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 あのときは美琴の怪我の具合を確認するのが精いっぱいで、叔母にちゃんとお礼を伝えられてなかった。
 今にして思えば、傷ついた美琴を見て相当動揺していた。

「美琴ちゃん、あれから大丈夫?」

「ああ、傷を気にする感じもなかった」

 よかった、と頷いたあと、理恵子はなにかを思い出したように「ねぇ、遥臣」とこちらを見上げてきた。

「あなた、夫婦のふりがストーカーから守るためだって、ちゃんと美琴ちゃんに話してるわよね」

「いや……まだ、話せてない」

 まさに今日、それを含めた経緯をぜんぶ話して、自分の気持ちを打ち明けようと思っていた。

 すると、理恵子は目を見開いた。

「どうりで……傷の手当てをしているとき、あの子、ちょっと様子が変な気がしたのよ」

「どういうこと?」

 理恵子の言葉に嫌な予感がした。

「ごめん遥臣。もしかしたら私、すごく余計な話をしちゃったかも……あの子婚姻届を出してないって知ってたから」

「なんだって?」

「美琴ちゃん、ストーカー男に戸籍調べられて指摘されたって言ってた。でも私、前から知ってると思い込んじゃって」

 嫌な予感が確信に変わる。