「……明日の陽菜ちゃんの手術、私がお願いするのは違うかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」
「……ああ」
一瞬の間のあと、遥臣は美琴の背中に手を回し抱きしめてくれた。
久しぶりの彼の体温に胸が切なく締め上げられる。
彼と話すとき、これまでの感謝の気持ちを伝えよう。そして迷惑をかけないように早めにここを出ていこう。
美琴は遥臣の胸の中で、そう決めた。
***
(よく、がんばったね)
手術室からストレッチャーで慎重に運び出される陽菜の姿を見ながら、手術着姿の遥臣は心の中で声を掛けた。
血管が狭くなる原因不明の病気に侵され、脳血流が低下していた陽菜。放置しておくと脳梗塞を発症するリスクが高かった。それを排除するため、頭皮内を走行している動脈を脳の表側の血管に吻合するバイパス手術と並行し、血管が豊富な部分を脳の表面に移動する間接血行再建術を同時に行った。これにより脳内の血流は改善されるはずだ。
頭部を横断する手術痕が痛々しいが、髪を剃るのは極力メスを入れる周辺だけにし、下ろせばわからないように留意した。痕自体も徐々に目立たなくなるだろう。
「……ああ」
一瞬の間のあと、遥臣は美琴の背中に手を回し抱きしめてくれた。
久しぶりの彼の体温に胸が切なく締め上げられる。
彼と話すとき、これまでの感謝の気持ちを伝えよう。そして迷惑をかけないように早めにここを出ていこう。
美琴は遥臣の胸の中で、そう決めた。
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(よく、がんばったね)
手術室からストレッチャーで慎重に運び出される陽菜の姿を見ながら、手術着姿の遥臣は心の中で声を掛けた。
血管が狭くなる原因不明の病気に侵され、脳血流が低下していた陽菜。放置しておくと脳梗塞を発症するリスクが高かった。それを排除するため、頭皮内を走行している動脈を脳の表側の血管に吻合するバイパス手術と並行し、血管が豊富な部分を脳の表面に移動する間接血行再建術を同時に行った。これにより脳内の血流は改善されるはずだ。
頭部を横断する手術痕が痛々しいが、髪を剃るのは極力メスを入れる周辺だけにし、下ろせばわからないように留意した。痕自体も徐々に目立たなくなるだろう。



