嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

「聞いたけど、やっぱり心配だった・……美琴、すまない。俺のせいだ」

 遥臣は美琴の手を取ったまま俯く。

「遥臣さん?」

「あいつの様子がおかしいって分かっていたのに、つい煽る言い方をしてしまった。もっと冷静に対応するべきだった」

「冷静じゃなかったのは私の方です。わざわざ傷を作りに突進しちゃいましたから」

「……俺を守ろうとしてくれたんだろう?」

「陽菜ちゃんの手術をしてくれる大切な体じゃないですか……結局騒ぎを大きくしただけですけど」

 美琴はおどけて笑顔を作る。本当はあのときそんなことまで考えていなかった。ただ遥臣を守りたい一心で気付いたら体が動いていた。

「本当にかすり傷ですよ。絆創膏貼るだけですみましたし、普通に夕食も作れました」

「でも、少しでも君が傷つくのは耐えられない……くそ、あの男」

 遥臣は初めて聞くような怨嗟の声を出した。美琴は少し驚きつつ、あのあとの顛末を聞く。