嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 叔母の瀬戸理恵子。現在瀬戸中央病院に勤務している彼女は南田国際病院に週に一度嘱託医として外来を担当している。

「ひさしぶりだね。今日は担当の日?」

「そう。やっと帰れるとこ。同じ病院にいてもなかなか会わないものね」

 電話では話していたが、こうして顔を合わせるのはあのパーティー以来だ。

「たまには兄さんに顔見せに行きなさいよ、全然帰ってないんでしょ」

 遥臣を小さい頃からかわいがってくれている理恵子は、30代のとき会社員の男性と結婚したものの離婚している。結婚生活より整形外科医の仕事を優先した結果、結婚生活が維持できなくなったからだという。

「まぁ、親父も忙しいからね」

 父親とはずいぶん会っていない。一度美琴のことを電話で話したきりだ。

「まったく、冷たいんだから」

 帰るつもりがないのが伝わったのか、理恵子は苦笑して話題を変えた。

「美琴ちゃん、あれからどう?」

「ああ、元気にしてるし、おかげさまで妙なことは起こっていない。彼女が結婚したのを知ってから連絡もとってこないようだし」

「よかった。でも、ああいうのは油断しない方がいいわよ」