嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 そろそろ正式に解消されそうだ予想した遥臣は最後に美琴を利用する。

 当時通っていた応際大学の学園祭に呼んで、婚約者として周囲に紹介して回った。
 当時、遥臣は学内で何人かの女性に言い寄られていたので、婚約者の存在を見せつけておきたかったのだ。
 そして、美琴はしっかりその役目を果たしてくれた。
 美しい美琴のただものでない雰囲気に彼女たちは敵わないと思ったのか、顔を引きつらせていた。

『あら、むしろ私の方が遥臣さんに合わせてあげているくらいなのに。そんなに悔しいのなら、あなたも私と同じレベルまで上がればいいのでは?』

 こうタンカを切った場面を目撃したときはさすがに驚いた。
 どうやら、遥臣から美琴から離れた隙に三田に言いがかりをつけられたらしい。

 三田は唖然として言い返せなくなっていた。自分の発言が遥臣に聞かれ『遥臣さん、いらしたんですね』と驚いたような顔をした美琴だったが、そのあとは特に気にする様子もなかった。

 ここまでくると清々しいくらいだ。美琴の気位の高さに遥臣は心の中で苦笑した。

 そろそろ帰ろうかとしているとき、ちょっとしたハプニングが起こった。

『あれ、あの子、ひとりなのかしら』