【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。

 朝、外の天気を確認しようと思い、居間の窓から外を眺めていた。すると由希くんが大きな袋を持って、よいしょよいしょと歩いていた。動向が気になり、いつものようにこっそりバレないよう、うちの灰色のカーテンに身を潜め、眺めていた。

 ちなみに心の中では由希くんと呼んでいるけれど、実際本人を目の前にした時は、綿谷と呼んでいる。

眺め続けていたら、うちの駐車場に、盛大に、土を、ばらまいた!

「あっ、由希くん……」

 由希くんは一分以上、立ったままフリーズしていた。

助けるべきか、否か。かなり迷う。でも俺が行くと余計なお世話か?……いや、由希くんなら「お手数お掛けしてごめんなさい、ありがとう」と思ってくれる。例え俺が由希くんに嫌われているとしても。今すぐに、助けたい。でも、しばらく由希くんとの会話は、挨拶しかしていないし……挨拶以外でこっちから話しかけるのは緊張する。そして会話が弾まなくて、気まずい思いをさせてしまうところまで予想ができる。

どうしよう……しばらく眺めるも、まだ由希くんは動かない。

――話しかけてみようか。

 意を決して、そっと家のドアを開けた。開けた瞬間に由希くんと視線が合った。