遠足の日から一週間が過ぎた。最近はお昼ご飯の時間になると、律くんが僕の席に来てくれる。
「今日も由希くんの弁当、美味しそうだな」
「ありがとう。卵焼き作りすぎちゃったから、食べる?」
「欲しい、ありがとう」
律くんは卵焼きを箸で摘んだ。
作りすぎたなんて、嘘だ。ただ律くんに食べてほしいから、いつも多めに作っている。
あんまり会話はないけれど、居心地が良くて幸せな時間だ。だけど、僕の気持ちが揺れてしまうことが起きた。
「律、前にカラオケで会った、一番派手だった女子覚えてる? サラちゃんって名前の子。今さらだけどさ、その子が律のこと気になってて、また遊びたいって。いつ暇?」
「いや、何も覚えていないし。遊ぶのもめんどくさい」
律くんらしい答えだなと思うと同時に、胸の奥がスッと軽くなった。それは潔く断ってくれたから。って僕、なんてことを思ってしまってるんだろう。まるで恋人みたいな反応だ。胸がざわついて、箸を持つ手が少し震えた。
「お願い! 遊ぶメンバーの中に俺が気になってる子もいてさ、律がいないと女子たちが遊ばないって。ほら、清純な雰囲気で可愛い女の子いたじゃん、ユメカちゃんって子……」
「誰なのか全く分からないし、覚えてない」
「マジかよ。綿谷もその時カラオケにいたけど、覚えてない?」
「……分からないな」
しつこいよ、袴田くん。もう律くんのことは諦めて欲しい。って言いたい。だけど内気な僕はそんな強めな言葉を言えない。
「今日も由希くんの弁当、美味しそうだな」
「ありがとう。卵焼き作りすぎちゃったから、食べる?」
「欲しい、ありがとう」
律くんは卵焼きを箸で摘んだ。
作りすぎたなんて、嘘だ。ただ律くんに食べてほしいから、いつも多めに作っている。
あんまり会話はないけれど、居心地が良くて幸せな時間だ。だけど、僕の気持ちが揺れてしまうことが起きた。
「律、前にカラオケで会った、一番派手だった女子覚えてる? サラちゃんって名前の子。今さらだけどさ、その子が律のこと気になってて、また遊びたいって。いつ暇?」
「いや、何も覚えていないし。遊ぶのもめんどくさい」
律くんらしい答えだなと思うと同時に、胸の奥がスッと軽くなった。それは潔く断ってくれたから。って僕、なんてことを思ってしまってるんだろう。まるで恋人みたいな反応だ。胸がざわついて、箸を持つ手が少し震えた。
「お願い! 遊ぶメンバーの中に俺が気になってる子もいてさ、律がいないと女子たちが遊ばないって。ほら、清純な雰囲気で可愛い女の子いたじゃん、ユメカちゃんって子……」
「誰なのか全く分からないし、覚えてない」
「マジかよ。綿谷もその時カラオケにいたけど、覚えてない?」
「……分からないな」
しつこいよ、袴田くん。もう律くんのことは諦めて欲しい。って言いたい。だけど内気な僕はそんな強めな言葉を言えない。



