外に出ると、すでに律くんが畑のところにいた。しかも水をあげてくれている。
「おはよう、律くん」
「おはよう」
お揃いの白いTシャツに、紺色のハーフパンツ。律くんは袖の部分をまくり上げている。その姿もとても似合っていて今日もかっこいい。
「お水、ありがとう。律くんの荷物はそれだけ?」
律くんが持っているのはシンプルで小さい黒いボディバッグだけだ。
律くんは僕の全体をじっと見た。そして「それ、貸して?」と、鍋が入っているエコバッグを指さしてきた。渡そうか迷っていると、優しく奪っていった。
「あ、ありがとう……」
「俺、荷物少ないから。リュックは、重くない? 大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
正直、重たくて背負っていたらすぐに疲れそうだなぁとは思っていたけれど。重いって言うと律くんが持ってくれそうな予感がしたから、平気なフリをした。
律くんの優しさに、今日も朝から胸の辺りがぎゅっと締め付けられる。目が合ったままで恥ずかしくなってきたから、視線をトマトに移した。
「あ、トマト赤くなってる! 赤いミニトマト、うちの班の人数分あるけど、みんな食べるかな?」
「……持っていくのか?」
「うん、お昼ご飯の時にみんなにあげる。律くんの分もあるからね」
「ありがとう」
僕は赤くなったミニトマトをもぎ取ると、リュックに入っていた小さなビニール袋に入れた。
「リュックに入れたら潰れないかなぁ」
「大丈夫だとは思うけど……いや、心配だったらリュックじゃなくて鍋に入れといたら?」
「そうだね」
僕は律くんが持っていた空の鍋にミニトマトが入ったビニール袋を入れた。
*
「おはよう、律くん」
「おはよう」
お揃いの白いTシャツに、紺色のハーフパンツ。律くんは袖の部分をまくり上げている。その姿もとても似合っていて今日もかっこいい。
「お水、ありがとう。律くんの荷物はそれだけ?」
律くんが持っているのはシンプルで小さい黒いボディバッグだけだ。
律くんは僕の全体をじっと見た。そして「それ、貸して?」と、鍋が入っているエコバッグを指さしてきた。渡そうか迷っていると、優しく奪っていった。
「あ、ありがとう……」
「俺、荷物少ないから。リュックは、重くない? 大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
正直、重たくて背負っていたらすぐに疲れそうだなぁとは思っていたけれど。重いって言うと律くんが持ってくれそうな予感がしたから、平気なフリをした。
律くんの優しさに、今日も朝から胸の辺りがぎゅっと締め付けられる。目が合ったままで恥ずかしくなってきたから、視線をトマトに移した。
「あ、トマト赤くなってる! 赤いミニトマト、うちの班の人数分あるけど、みんな食べるかな?」
「……持っていくのか?」
「うん、お昼ご飯の時にみんなにあげる。律くんの分もあるからね」
「ありがとう」
僕は赤くなったミニトマトをもぎ取ると、リュックに入っていた小さなビニール袋に入れた。
「リュックに入れたら潰れないかなぁ」
「大丈夫だとは思うけど……いや、心配だったらリュックじゃなくて鍋に入れといたら?」
「そうだね」
僕は律くんが持っていた空の鍋にミニトマトが入ったビニール袋を入れた。
*



