【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。

 店の前にはたくさん花が並んでいる。

――今日もお店やってて、まだ花もたくさんあって、安心した。

「花の色、たくさんある!」

 由希くんは目を輝かせてはしゃぐ。誘うの緊張したけど、誘って良かった。俺も由希くんの後をついて行き、横に並んで一緒に花を眺めた。

「でも、これって自転車で持って帰れるのかなぁ……」
「俺の自転車はカゴがないから、綿谷の自転車のカゴに入れることになるよな? 店の人に相談してみるか? 待ってて」

 俺は店の中に入り、店員を探した。店内はそんなに広くはないからすぐに見つかりそうだなと思いながら探していると、レジの奥にある部屋から猫の鳴き声がした。俺は「すみません」と、その部屋に向かって叫んだ。

「いらっしゃい」と、おばあさんが出てきたから、花の苗を買ったら自転車で持って帰れるのかを聞いてみた。どれどれとおばあさんは俺と一緒に外に出る。由希くんが一生懸命選んでいると「この苗強くて良いよ」「これはたくさん花が咲くと思うよ」と、おばあさんが次々にアドバイスを由希くんにしていた。そして無事に買う苗は決まった。