いつもは俺が朝、由希くんを迎えに行き、一緒に登校する。学校に向かう時に気持ちをきちんと伝えようと決め、言葉を頭の中でまとめて何度も伝える練習をした。だけど次の日の朝、迎えに行くと「由希、もう学校に行ったよ」と、由希くんの母にそう伝えられた。由希くんはもういなかった。玄関では当たり前のように毎日笑顔を見せてくれていたのに――
下校の時間も一緒に帰っていたのに、由希くんは俺を素通りして、ひとりでささっと帰っていってしまった。
その後も結局、由希くんに嫌われてしまった俺は、由希くんに何もできないままでいた。数日経つと、由希くんの母が新しいきゅうりの苗を買ってきたのか、新しく元気なきゅうりの苗が畑に植えられていた。
あの日以来、ふたりで遊ぶこともなくなり、俺も先生から勧められてサッカークラブに入ったから、同じアパートに住んでいて同じ学校に通っていること以外、接点はなくなった。由希くんは俺と目を合わせてくれなくなったし、本当に話すこともなくなった。気持ちはずっと沈んだままでいた。
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下校の時間も一緒に帰っていたのに、由希くんは俺を素通りして、ひとりでささっと帰っていってしまった。
その後も結局、由希くんに嫌われてしまった俺は、由希くんに何もできないままでいた。数日経つと、由希くんの母が新しいきゅうりの苗を買ってきたのか、新しく元気なきゅうりの苗が畑に植えられていた。
あの日以来、ふたりで遊ぶこともなくなり、俺も先生から勧められてサッカークラブに入ったから、同じアパートに住んでいて同じ学校に通っていること以外、接点はなくなった。由希くんは俺と目を合わせてくれなくなったし、本当に話すこともなくなった。気持ちはずっと沈んだままでいた。
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