【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。

 きゅうりが枯れた時、図書館へ行き家庭菜園の本を片っ端から調べた。もしかして苗が病気になっていて、育てる環境や水のあげる量を変える、もしくは、薬があってそれを苗に与えれば、完全に復活する可能性はゼロではないんじゃないか?と。

もしも復活する方法を見つけて実行すれば、由希くんの悲しい気持ちはなくなるし、喜んでくれる。

だけど結局調べても、由希くんの苗と、本に載っていた病気の苗の写真は、見た目が違った。むしろ、枯れた苗の例の写真が載っていて、それと由希くんの苗は全く同じだった。調べて、きゅうりの苗が生き返るわずかな可能性はないと知った。

 大切に育てようとしていたきゅうりの苗を失った時の由希くんの気持ちと、苗がしおれる少し前のじいちゃんが亡くなった時の俺の気持ちを、重ね合わせた。公園でサッカーを教えてくれた、俺の大好きなじいちゃんの笑顔は、お葬式の冷たい棺の中では消えていた。生き返らないとわかっていても、心の中で「久しぶりに一緒にサッカーをしよう? 俺、上手くなったから見てよ」「じいちゃん元気になって?」と、ずっと話しかけていた。

 もしかしたら、俺みたいにもう会えないのを知った上で、願う言葉を口にしていたのかもしれないし、本当に復活するかもと由希くんは信じていたのかもしれない。由希くんの気持ちは確認できなかったけれど。

 由希くんの表情や言葉を見つめていると、俺は、いてもたってもいられなくなった。

このまま由希くんが枯れた苗を見て、毎日泣きそうな顔するくらいなら、枯れた苗を抜いて、捨ててしまう方が、いいんじゃないか――?