【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。

 その事件が起きたのは、小学四年生の時だった。

 毎年鉢植えでミニトマトを育てていた由希くんは、初めてミニトマトときゅうり、花を畑に植えた。

 由希くんは優しく苗に話しかけ、ふわりと繊細に扱い、苗を大切にしているのがひしひしと伝わってきていた。

「元気に、大きく育ってね!」

苗を見つめる由希くんを、隣でそっと見守る時間が、好きだった。天気が良くて、でも由希くんに出かける用事があって苗に水をやれない時には、代わりに水やりをやろうと真剣に考えてもいた。

 由希くんの大切な苗を守るために――。

「この畑、ふかふかで気持ちよさそうだな」なんて言った時には、すごく嬉しそうに頷いてくれた。畑に関わることの全てに幸せを感じていそうで。由希くんが幸せそうだったから、畑で過ごす時間は、俺も全てが幸せで楽しかった。

「律くん見て、昨日よりも成長したよ」
「そろそろ葉っぱの赤ちゃんが増えると思うよ」

朝、畑の様子を確認してから一緒に小学校に登校していた。由希くんは目を輝かせながら、鉢植えで育てていた時の知識もおりまぜて、色々教えてくれた。

 正直、苗にあんまり興味がなかったけれど、由希くんのお陰で俺も苗の成長が楽しみになった。