『光田くんへ さっきはお手数お掛けしました。光田くんの家の駐車場に土をばらまいてしまってごめんなさい。そして片付けるのと、土をふかふかにする作業を手伝ってくれて、ありがとうございました。作業が終わった時に直接お礼を言いたかったけれど言えなくて。この手紙、迷惑だったら捨ててください。』
さっき俺と由希くんが外で分かれた瞬間も、完全に覚えている。由希くんが直接、俺にお礼を言えなかったのは、俺がささっと自分の家に入ってしまったからだ。もっと外に、由希くんと一緒にいれば良かったな。
――こちらこそ、手紙を書かせてしまうお手数をお掛けして、ごめん。
手紙を鼻の近くに寄せると、由希くんの家の匂いがほのかに香る。最近は嗅げてないけれど、昔から俺の大好きな香りだ。由希くんの母親がお菓子を作るのが好きで、その影響なのか由希くんの家の中はいつも甘い香りがしていた。
捨てない、こんな貴重な宝を、捨てるわけがない――。
由希くんの文字を見つめていたら、浮かび上がってくる。由希くんが申し訳なさそうな表情をしながらこの手紙を書いている姿が。俺の胸が、熱くなった。何回も読み返し、手紙をギュッと抱きしめると自分の部屋に行った。
さっき俺と由希くんが外で分かれた瞬間も、完全に覚えている。由希くんが直接、俺にお礼を言えなかったのは、俺がささっと自分の家に入ってしまったからだ。もっと外に、由希くんと一緒にいれば良かったな。
――こちらこそ、手紙を書かせてしまうお手数をお掛けして、ごめん。
手紙を鼻の近くに寄せると、由希くんの家の匂いがほのかに香る。最近は嗅げてないけれど、昔から俺の大好きな香りだ。由希くんの母親がお菓子を作るのが好きで、その影響なのか由希くんの家の中はいつも甘い香りがしていた。
捨てない、こんな貴重な宝を、捨てるわけがない――。
由希くんの文字を見つめていたら、浮かび上がってくる。由希くんが申し訳なさそうな表情をしながらこの手紙を書いている姿が。俺の胸が、熱くなった。何回も読み返し、手紙をギュッと抱きしめると自分の部屋に行った。



