「別れない=許しますってことじゃない? 普通」
「何でよ。てか、普通とかどうでもいいよ。【どうしたって許せないけど、好きなので別れません】でいいと思う。意地っ張りは損するよ。意地なんか、張れば張るほど無駄だから。わざわざ損をする方を選ぶなんて無意味だよ。損なんかしちゃダメだよ。ウチラの歳だとさ、『人生まだまだ長いわー』って思うけど、私みたいに急にゴールテープ目の前に張られちゃうことだってあるんだからね。人生、無駄に損してる場合じゃないんだよ」
楠木さんに人生を語られると、それはそれは重く、心にズシンときた。
「……確かに、そうだね」
楠木さんの言葉が心に響くのは、楠木さんが死を目前にしているからではない。楠木さんが私の友だちとして、私の幸せを一番に考えてくれているからだ。
「明日、彼氏に会ってくる」
楠木さんに話したおかげで、やっと隼人に会う気になれた。
「今日じゃないんかい。今から会えばいいじゃん。善は急げだよ」
楠木さんが「早く行け‼」とドアの方を指差した。
「【許せないけど別れない】の方向で気持ちは決まったんだけど、何を話せばいいのか頭の整理がつかないんだもん。明日、楠木さんの噛み出し食を見届けてから行く。楠木さんもやったんだから、私もやらねば‼ ってなるでしょ」
しかし、やっぱり今日は行きたくない。昨日の今日だし、どんな顔で会えば良いのか分からない。
「何でよ。てか、普通とかどうでもいいよ。【どうしたって許せないけど、好きなので別れません】でいいと思う。意地っ張りは損するよ。意地なんか、張れば張るほど無駄だから。わざわざ損をする方を選ぶなんて無意味だよ。損なんかしちゃダメだよ。ウチラの歳だとさ、『人生まだまだ長いわー』って思うけど、私みたいに急にゴールテープ目の前に張られちゃうことだってあるんだからね。人生、無駄に損してる場合じゃないんだよ」
楠木さんに人生を語られると、それはそれは重く、心にズシンときた。
「……確かに、そうだね」
楠木さんの言葉が心に響くのは、楠木さんが死を目前にしているからではない。楠木さんが私の友だちとして、私の幸せを一番に考えてくれているからだ。
「明日、彼氏に会ってくる」
楠木さんに話したおかげで、やっと隼人に会う気になれた。
「今日じゃないんかい。今から会えばいいじゃん。善は急げだよ」
楠木さんが「早く行け‼」とドアの方を指差した。
「【許せないけど別れない】の方向で気持ちは決まったんだけど、何を話せばいいのか頭の整理がつかないんだもん。明日、楠木さんの噛み出し食を見届けてから行く。楠木さんもやったんだから、私もやらねば‼ ってなるでしょ」
しかし、やっぱり今日は行きたくない。昨日の今日だし、どんな顔で会えば良いのか分からない。



