最期の晩餐

「隼人って、奈々未ちゃんの彼氏さん?」

 色恋沙汰好きな森山さんが素早く反応。

「どう考えても隼人が悪い。だって、元カノと抱き合ってたんですよ」

 昨日の光景を思い出し、怒り任せにガシガシと奥歯でチキンを噛み砕く。

「それはお前、乗り換えられたってことだな」

 林田さんが口角を上げながら話に加わる。

 ギロリと林田さんを睨みつけながら、チキン南蛮に喰らい付く。こんなに憎たらしい林田さんが作ったものなのに、滅茶苦茶美味しいのが滅茶滅茶腹立つ。

「イヤ、それにはちゃんと理由があったんだって。奈々未、隼人に弁解もさせずに怒って帰ったでしょ」

 美知さんが、怒りに震えながらチキン南蛮を貪り食う私の背中を「どうどう」と言いながら摩った。

「理由って?」

 森山さんは、私よりも隼人の行動に興味津々だ。

「隼人の職業って、小学校の先生なんですけど、隼人の元カノも別の小学校で先生をしてるんですよ。小学校教諭って大変じゃないですか。モンペはいるし、生徒間でイジメがあると、全部担任の責任にさせられたり。教師同士でも派閥があって気を遣うらしいし。で、精神的に参った元カノが、泣きつきにきたらしいですよ。隼人、同業者だから、一から説明しなくても分かってくれるので」

 美知さんは、隼人は悪くないと思っている様だが、私としては納得いかない。だって、抱き合う必要ありました⁉