猛烈に働き、帰宅した途端に力尽き、お風呂にだけは辛うじて入ったが、夕食も食べずにベッドに飛び込み爆睡した。めちゃめちゃ疲れた。これが毎日なのかと思うと、心が折れそう。
翌日職場に行くと、やはりとんでもなく忙しかった。こんなの絶対におかしいよ。と思いながら、今日も病棟訪問をする。
今日の病棟訪問は、明日のオーダー食の聞き取りをしなければならない。ここのホスピスは週に一度、栄養価を無視して患者さんの食べたいものを夕食に出すオーダー食がある。亡くなる前に、患者さんの食べたいものを提供しようという試みだ。元々は月に一度、お寿司やうな重など普段より豪華な食事を出すイベント食をやっていたらしいが、林田さんが週一でリクエスト食を出しているホスピスの特集をテレビで見て感銘を受け、何故か【オーダー食】と名前を変えて取り入れたらしい。森山さん曰く『林田さん、【リクエスト食】に著作権があると思ってるんじゃない? あはははは』とのこと。そんなオーダー食のメニューを聞きまわり、林田さんと森山さんに伝える。
「下川さんが鯖の味噌煮で、楠木さんがハンバーグで……岡村さんがサモサ。サモサ? 何だ、サモサって」
林田さんが、私が書いた聞き取りメモを見ながら眉間に皺を寄せた。
「給食に出てきませんでした?」
指で大きさを表しながら「このくらいの三角の揚げ物です」と林田さんに伝えるが、
「知らん」
「時代が違うのよー。私たちの頃はそんなハイカラなものは給食に出なかったわ」
森山さんも存じ上げない様子。
「これです。インド料理らしいです」
美知さんが、ググってタブレットにサモサを表示した。
「そんなに難しくなさそうだな。作れそうだ」
林田さんがタブレットを凝視しながらふむふむと頷いた。
このオーダー食はいつも以上に気を遣わなければならない。患者さんが死ぬ前に食べたいものだから。ただ単に患者さんの好物というだけではなく、思い出が詰まっていることもあるだろう。美味しくて患者さんのイメージに近い味付けの料理を、予算内で作らなければいけない。
普段の業務でてんやわんやの大騒ぎ状態なのに、オーダー食の調理……。どうなってしまうのよ。と、気が最底辺まで沈む。
翌日職場に行くと、やはりとんでもなく忙しかった。こんなの絶対におかしいよ。と思いながら、今日も病棟訪問をする。
今日の病棟訪問は、明日のオーダー食の聞き取りをしなければならない。ここのホスピスは週に一度、栄養価を無視して患者さんの食べたいものを夕食に出すオーダー食がある。亡くなる前に、患者さんの食べたいものを提供しようという試みだ。元々は月に一度、お寿司やうな重など普段より豪華な食事を出すイベント食をやっていたらしいが、林田さんが週一でリクエスト食を出しているホスピスの特集をテレビで見て感銘を受け、何故か【オーダー食】と名前を変えて取り入れたらしい。森山さん曰く『林田さん、【リクエスト食】に著作権があると思ってるんじゃない? あはははは』とのこと。そんなオーダー食のメニューを聞きまわり、林田さんと森山さんに伝える。
「下川さんが鯖の味噌煮で、楠木さんがハンバーグで……岡村さんがサモサ。サモサ? 何だ、サモサって」
林田さんが、私が書いた聞き取りメモを見ながら眉間に皺を寄せた。
「給食に出てきませんでした?」
指で大きさを表しながら「このくらいの三角の揚げ物です」と林田さんに伝えるが、
「知らん」
「時代が違うのよー。私たちの頃はそんなハイカラなものは給食に出なかったわ」
森山さんも存じ上げない様子。
「これです。インド料理らしいです」
美知さんが、ググってタブレットにサモサを表示した。
「そんなに難しくなさそうだな。作れそうだ」
林田さんがタブレットを凝視しながらふむふむと頷いた。
このオーダー食はいつも以上に気を遣わなければならない。患者さんが死ぬ前に食べたいものだから。ただ単に患者さんの好物というだけではなく、思い出が詰まっていることもあるだろう。美味しくて患者さんのイメージに近い味付けの料理を、予算内で作らなければいけない。
普段の業務でてんやわんやの大騒ぎ状態なのに、オーダー食の調理……。どうなってしまうのよ。と、気が最底辺まで沈む。



