最期の晩餐

「で、どうしたの?」

『あ、今日のパフェなんだけど……』 

「うん」

『母さんがね、『正解を全く覚えてないけど、このパフェがあの時食べたものとは全く違うことは、はっきり分かる』って言ってた』

「……でしょうね」

『でも、『滅茶苦茶美味しくて、みんなで楽しく食べられて、最高に幸せだった』ってさ。ありがとうね、奈々未』

 嬉しそうな隼人の声に、

「喜んでもらえて良かった」

 こちらも嬉しくなる。

『母さんがね、奈々未にお礼がしたいんだって。だから、明日時間がある時にでも母さんの病室に顔出してもらえないかな?』

「隼人のお母さんの病室に行くのは構わないんだけど、お礼とかいらないよ。私は自分の仕事をしたまでなんだから」

『お礼って言っても、母さん病人だから大そうなこと出来ないだろうし、遠慮しないで気軽に受け取ってやってよ。断られる方が悲しんじゃうと思うからさ』

「……そっか。じゃあ、有難く受け取らせてもらおうかな」

『うん。ありがとう、奈々未』

「こっちがありがとうでしょ。お礼を貰う立場なんだから」

『お礼を貰ってくれて、ありがとう。じゃあ、おやすみ』

「うん。おやすみ」

 と、電話を切っておきながら、寝ようともせず残りのアイスを食べ続ける。いいんだ、いいんだ。豚になる覚悟は出来ている。