最期の晩餐

「だから、美知は本当に友だちなんだって‼ 亜子とは確かに付き合ってたけど、別れてから一度も会ってないから‼ ごめんね、奈々未‼」

 臍を曲げた私を必死に宥めようとする隼人。

「何の 【ごめんね】? 『元カノがいてごめんね。モテモテでごめんなさいねー』ってこと?」

 つっかりたくなどないのに、隼人の言葉がいちいちいちいち引っかかる。

「そういうわけじゃ……」

 私と違って短気でも勝気でもない隼人は、すぐに怯む。

「私は今日、隼人のお母さんが食べたがっているパフェを確認したくて来たのに、なんで聞きたくもない、知る必要もない隼人の元カノの話を聞かされなきゃいけないの? じゃあ、私も話しましょか? 手足が長くて顔が小さくて、頭が良くてスポーツマンだった超イケメンの元彼の話、詳しくしましょうか? お金持ちで物腰が柔らかくてジェントルマンだったその父上の話も合せてしましょうか?」

 もちろん、そんなハイスペックな元彼などいた試しがない。故にその父親も架空。

「明日、隼人のお母さんに昔の彼氏の話を聞いて、隼人のお父さんにも教えて差し上げましょうか?」

 わざと隼人のお父さんに厭味ったらしい笑顔を向ける。