最期の晩餐

「間接的に、遠回しに批難しただろうが‼」

「深い意味などない言葉に、隼人のお父さんが過剰反応して、勝手に別の意味で捉えただけでしょうが‼」

 短気で心の狭い私は、受け流すことが出来ない性分で、キレる隼人のお父さんにキレ返してしまう。

 隼人のお父さんの発言は、隼人のお母さんを大切に思っているからこそだということくらい、ちゃんと分かっている。でも、オーダー食は明日。パフェ以外の論争をしている時間などない。

「あぁ、もう‼ 母さんも隼人も、何でこんな口の悪い女を気に入っているんだ。俺は亜子さんの方が良かったと思うぞ。気立てが良くて、優しかった」

 それなのに、やめるどころか全く分からない話をし出す、隼人のお父さん。

「亜子さん?」

 首を傾げる私に、

「隼人の元カノだよ。本当にいい子だったのに」

 隼人のお父さんが勝ち誇ったかのように笑った。

「やめろよ、父さん‼ 亜子は何の関係もないだろ‼」

 今度は隼人が怒り出し、ここにいる三人全員がイライラしている最悪な状況に。

「……ほーう。亜子さんねぇ。美知さんの次は、亜子さんねぇ。ほーう」

 今まで信じ切っていて、気にもしなかった隼人の女事情が耳に入るようになってきて、私の神経を刺激する。