最期の晩餐

「本当に? ホントに本当?」

 美知さんの腕を掴み、顔を覗き込みながら確認。

「ホントに本当‼」

美知さんが遂に、「面倒臭っ」と声に出した。

「そっか。え? ちょっと待って。さっきは『嘘だよ』って言ってたよね? え⁉ どっち⁉ どっちなの⁉」

 しかし私はひとりでパニくり、更に面倒くさい状態に。

「あぁー‼ もう‼ 林田さんと森山さんのせいですよ‼」

 そんな私を放置して、「無駄話禁止‼」と言いながら美知さんは仕入れ伝票を持って調理場を出て行った。

 私は単純明快な性格の為、美知さんから隼人を紹介してもらった時、『美知さん、ありがとう‼ 神様やん‼』と感謝し、ふたりの関係を疑うこともなかった。だって、【友だち】って言ってたし。ふたりの間に只ならぬ空気とかもなかったし。森山さんの発言で遅ればせながら『ハッ』とするくらい、ボーっと生きている。

 私も【男女の友情否定派】の森山グループだから、美知さんには少しモヤモヤが残ってしまうが、これはもう考え方の違いだからどうしようもない。諦めるしかないと自分を説得し、でもやっぱり納得は出来なくて、モヤついたまま午前の業務終了。

 休憩を挟んで美知さんと、午後に入院してきた隼人のお母さんの病室を伺うことに。