「……隼人のお母さんの希望、叶えて差し上げましょうよ」
反対しているのは隼人のお父さんだけ。ならば隼人のお父さんを説得するしかない。
「だから、家族の問題に入ってくるなと言っているだろ‼ 結婚したことも子どもを産んだこともない人間に家族のことなど分かるはずがない‼」
隼人のお父さんは、私を黙らせるためにわざと私が傷つくような言葉を選んでいるのだろう。
「一切分かりませんね」
だから毅然と立ち向かう。
「だったら黙っててくれないか」
「家族のことなど全く以って分かりませんが、私、お喋りなので黙れません。勝手に口が開いちゃう。隼人のお母さんが欲しいのは、祈りでも応援でもないのではないでしょうか。私は、今まで頑張ってこられた隼人のお母さんを、褒めて労って感謝すべきだと思います」
隼人のお父さんを完全無視した私に、
「奈々未ちゃん、相変わらずね。奈々未ちゃんのそういうところ、大好き。ありがとうね。奈々未ちゃんにそう言ってもらえて嬉しい。私、やっぱり奈々未ちゃんがいるホスピスに転院したい」
隼人のお母さんが泣きそうな顔で、洟を啜りながら笑った。
「父さん、母さんがホスピスに転院するのは決定事項なんだよ。後は、離婚するのかしないのかの問題」
隼人が、隼人のお父さんの肩にポンと手を置いた。
「絶対にしない‼」
隼人の手を振り払う、隼人のお父さん。
こうして、隼人のお母さんは離婚することなく、私が働くホスピスに転院することになった。
反対しているのは隼人のお父さんだけ。ならば隼人のお父さんを説得するしかない。
「だから、家族の問題に入ってくるなと言っているだろ‼ 結婚したことも子どもを産んだこともない人間に家族のことなど分かるはずがない‼」
隼人のお父さんは、私を黙らせるためにわざと私が傷つくような言葉を選んでいるのだろう。
「一切分かりませんね」
だから毅然と立ち向かう。
「だったら黙っててくれないか」
「家族のことなど全く以って分かりませんが、私、お喋りなので黙れません。勝手に口が開いちゃう。隼人のお母さんが欲しいのは、祈りでも応援でもないのではないでしょうか。私は、今まで頑張ってこられた隼人のお母さんを、褒めて労って感謝すべきだと思います」
隼人のお父さんを完全無視した私に、
「奈々未ちゃん、相変わらずね。奈々未ちゃんのそういうところ、大好き。ありがとうね。奈々未ちゃんにそう言ってもらえて嬉しい。私、やっぱり奈々未ちゃんがいるホスピスに転院したい」
隼人のお母さんが泣きそうな顔で、洟を啜りながら笑った。
「父さん、母さんがホスピスに転院するのは決定事項なんだよ。後は、離婚するのかしないのかの問題」
隼人が、隼人のお父さんの肩にポンと手を置いた。
「絶対にしない‼」
隼人の手を振り払う、隼人のお父さん。
こうして、隼人のお母さんは離婚することなく、私が働くホスピスに転院することになった。



