「私ね、治療を辞めようと思ってるの。リンパに転移した癌、手術では切り取れなくて、抗がん剤もなかなか効かなくて……。もっと強い抗がん剤を、もっともっと強い抗がん剤をってやっているのがね、命を削られている気がしてならないの。私だって生きたい。死にたくない。でもね、生き延びている時間がこんなにしんどいなら、残りの時を心穏やかに生きたいの。奈々未ちゃんがいる職場なら安心だなと思って。隼人からね、奈々未ちゃんの話を聞いて、あぁ、私もそこに行きたいなって思ったの。でも、彼氏の母親になんか入院されたら、奈々未ちゃんが仕事やり辛くなっちゃうかしら?」
隼人のお母さんの目に迷いはなく、今後治療を続ける気がないことが見て取れた。
「全然そんなことはないんですけど……」
「全然そんなことないわけがない‼ 本当は邪魔で邪魔で仕方がないと思っていても、面と向かって言えるわけがないだろう‼ 母さんはホスピスになど転院しない‼ この病院で治すんだ‼」
隼人のお母さんの言葉を否定しようとしたら、隼人のお父さんが全く思いもしてない私の心の内を勝手に代弁して言い消した。
「私、そんなに性根腐った人間だと思われてたの⁉ 隼人のお母さんを邪魔に思ったことなんか一度もないのに‼ 大好きなのに‼」
ショックと驚愕のあまり目を見開いて隼人に確認する。
隼人のお母さんの目に迷いはなく、今後治療を続ける気がないことが見て取れた。
「全然そんなことはないんですけど……」
「全然そんなことないわけがない‼ 本当は邪魔で邪魔で仕方がないと思っていても、面と向かって言えるわけがないだろう‼ 母さんはホスピスになど転院しない‼ この病院で治すんだ‼」
隼人のお母さんの言葉を否定しようとしたら、隼人のお父さんが全く思いもしてない私の心の内を勝手に代弁して言い消した。
「私、そんなに性根腐った人間だと思われてたの⁉ 隼人のお母さんを邪魔に思ったことなんか一度もないのに‼ 大好きなのに‼」
ショックと驚愕のあまり目を見開いて隼人に確認する。



