最期の晩餐

「確かに、体調が悪い時に来られると辛いかも」

 隼人のお母さんが意地悪な顔で笑った。

「ヒドーイ‼」

「嘘だって。騒がしいのは本当だけど、別に嫌じゃないから。奈々未ちゃんの人懐っこい感じ、凄く好きよ」

 早速騒がしい私を、隼人のお母さんが宥めながら笑った。

「ジュース買って来たんですけど、飲みますか? 冷蔵庫に入れときますか?」

 そんな隼人のお母さんに手土産を見せる。ちょっとでも身体に良い物をと思い、【管理栄養士監修】と書かれているジュースを選んで買った。『私は彼氏の家族の健康もちゃんと考える出来た彼女です』と言わんばかりに、その部分が見えるように、隼人のお母さんに向ける。

「今はいいかな。後で頂くね、ありがとう。もしかして、そのジュースを監修した管理栄養士さんって、奈々未ちゃん?」

 隼人のお母さんは本当にノリが良い。今日もノリノリにボケてくれる。私は、隼人のお母さんが大好きだ。

「はい、そうです」

 だから私もノリまくってボケを被せる。

「堂々とした嘘って、ちょっと面白いな。奈々未、いつから食品メーカーの開発グループに入ったの?」

 隼人が笑いながら「ジュースちょうだい。冷蔵庫に入れるから」と、私の手に持たれていたジュースを抜き取り、冷蔵庫に収納した。