最期の晩餐

「見縊んなよ。私は友だちを売るような女じゃないんだよ」

 楠木さんが唇を尖らせた。

「楠木さんだって、神様を見縊るんじゃないよ。神様はそんなに小さい人間じゃないんだよ。……人間かどうか知らんけど」

「神様が何者か知らないくせに、小さくないって良く言えたな」

 そして、目を細めて白ける楠木さん。

「減らず口―‼ 口答えすんな‼」

 ごもっともな楠木さんの反論に負けたくなくて、聞く耳を持たない頑固親父の口癖のような言葉を返す。

「オイ‼ 客だぞ、私は‼ お客様だぞ‼」

「友だちでしょうが‼」

「ずるいぞ‼ 友だちだからって言って、遠慮なしに言いたい放題言いやがって‼」

「友だちだから、遠慮なしに言いたい放題なんじゃん‼」

「……そっか」

 楠木さんが笑いながら折れた。

「そうだよ」

 楠木さんと距離を置くことなんて出来ない。

 だって楠木さんと私は、友だちだから。