最期の晩餐

「ウチは少数精鋭‼ 今日からこの四人で頑張っていきましょう‼ 大丈夫‼ このホスピスは二十床だし、やれるって‼」

 美知さんが、パシンと私の背中を叩いた。嫌な予感は、やはり的中だった。

「……あの、ブラストチラーはどこですか?」

 まぁ、病床数が二十なら、クックチルだったら無理な話でもないかと、キョロキョロと調理場を見回して急速冷凍庫を探すが見当たらない。

「ないよ。ウチはクックサーブだから」

 首を振る美知さんの隣で、

「アンタ、患者さんに作り置きを出そうと思ってたのか?」

 林田さんが睨みを効かせた。

「クックチルは色んな病院や介護施設で取り入れられてますし、味が落ちるわけでもない。その上、急速冷凍すれば細菌の繁殖も防げて安全面の心配もない。食事の時間に合わせて調理をするのではなく、予め作っておいた料理を食事の時間に温めなおす方が、無理なく仕事が回ると思います。この少人数だったら、クックチルを導入した方が良いと思います。院長に打診してみませんか?」

 四人で一日六十食はそんなに多くはないけれど、学校給食と違って、一般食だけを作れば良いわけではない。患者さんに合わせてきざみ食・ミキサー食・ゼリー食なども作ることになるだろう。学生時代に行った病院実習の大変だった記憶が蘇り、「人員確保が難しいのであれば、クックチルは必須だ」と三人に訴える。