最期の晩餐

「暴行罪、見逃します」

 まだ起きてもいない悲しい事態を想像して嘆くのはやめよう。

今は、のっぺ作りに全集中。楠木さんに教わったのっぺのレシピを確認しつつ、買い出しに行った森山さんが戻ってくるまで、夕食作りに専念した。

暫くすると、買い物を済ませた森山さんが戻ってきて、素早くのっぺの材料をカットしてくれた。それを林田さんが味付け。そして、私と美知さんが味見。

「これがのっぺか‼ めちゃくちゃ美味いじゃん‼」

「新潟県民、やるな‼」

 美知さんと目を見合わせ、「ご飯が欲しいー」と嘆くほどに、のっぺに感動。

 これならイケる気がする。きっと岡村さんも喜んでくれるはず。

 夕食時、自信満々ののっぺをトレーに乗せ、岡村さんの元へ運ぶ。

「うんうん。これだ‼ 見た目が同じ。凄い再現度‼」

 岡村さんがお椀の中ののっぺに目を輝かせた。

 岡村さんの奥様ののっぺは、汁気の多い温かいタイプだったそうなので、本来出す予定だった汁物をのっぺに変更させてもらった。のっぺには野菜はもちろん、鶏肉も鮭も入っている。変更したところで栄養が不足することはない。……カロリー計算はね、目を瞑った。