最期の晩餐

「オイオイオイオイ、お客様は神様じゃないぞ」

「私、自分のことお客様だと思ってないもん」

「ついさっき、客ヅラしたばっかじゃん」

 コロコロ変わる楠木さんの話にツッコミを入れながら、楠木さんの隣に腰を下ろす。

「ここの入院患者って、私と近い歳の人いないじゃん? ななみんって多分私と同じくらいの歳でしょ? 私の中ではななみんは友だち」

「ななみん?」

「倉橋奈々未でしょ? 名前」

 楠木さんが私のネームプレートを指さした。

「私だけ楠木さんの個人情報を知ってるのはフェアじゃない気もするのでバラしてしまうと、同い年ですよ。だから楠木さんと話すとき、うっかりタメ語になっちゃうことがある。すみません」

 ペコリと頭を下げると、

「むしろそれが嬉しかった」

 楠木さんがニッコリ微笑んだ。でも、どこか切なそうな楠木さん。家族が誰もいない中、ひとりでここに入院しているのは、淋しいに違いなかった。

「……じゃあ、聞いてもらっちゃおうかな。隣、座らせて」

 楠木さんに親しみを持ってもらえることは嬉しいし、楠木さんの淋しさを少しでも緩和出来るならと、楠木さんの横に腰を掛けると、

「聞く聞くー」

 楠木さんが身を乗り出した。

「他の患者さんの個人情報を口にするわけにいかないから、【誰が】とかは伏せるけど、毎週末のオーダー食に【新潟の煮しめ】をリクエストした人がいてね、お正月に出てくる一般的な煮しめを出したら『これじゃない』っていう楠木さんのハンバーグ状態になっちゃって。ネットで調べても、新潟も関東も別に変わらない作り方で、何がどう違うのか……。里芋がたくさん入っててトロトロしてるっていうヒントしかもらえなくてさー。友よ、何か知らないかい?」

 縋るような目で楠木さんを見ると、