最期の晩餐

「しっかり家系にいるじゃん。自分の性格がひん曲がってることに気付いてないの?」

 林田さんに向かって『お前だよ』とばかりに人差し指を向けると、

「人を指で指すな」

 林田さんに再度舌打ちをされた。

「あら、申し訳ない」

 と言いつつも指を指し続けると、

「申し訳ないと思うなら指を仕舞え、このやろう」

 林田さんに強制的に人差し指を折り曲げられた。

「ほらね、仲良し」

 林田さんと私のやり取りを、森山さんが笑った。

「はいはい、くだらない喧嘩はそこまで。今ね、新潟の煮しめを検索してみたんだけど、関東とそんなに変わりなさそうなのよ」

 美知さんが【新潟 煮しめ】で検索した画面を映したタブレットを私たちに見せた。

「あるじゃねぇか、あるじゃねぇか‼ 新潟の煮しめにも、飾り切りの人参さんがよぉ‼」

 林田さんが「ほら見ろ」と人差し指と中指でわざわざ新潟の煮しめを拡大した。

「本当だー。ねぇ、岡村さんのリクエストって本当に煮しめだった?」

 森山さんが私の聞き間違いを疑う。

「さすがに煮しめは聞き間違えないですよ」

 口を尖らせ「聞き間違ってないもん」と拗ねるが、

「煮こごりとかじゃなかった?」

 美知さんまでも私を信じてくれない。