最期の晩餐

「執念だってー」「いやーねー」「関心って言ってほしいわよねー」と喋りながらも、難なく食べ物を胃に落とし込める自分たちを、食のプロフェッショナルだと思う。

「ホラ、持ってきたぞ。……て、本当に食い終わってやがる」

 お盆にアイスを乗せて戻ってきた林田さんが、右手にスプーンを握りしめてアイスを待ち構えていた私たちにドン引きした。

「バニラとチョコと抹茶のアイスを作ってみた。味の種類は患者さんからの要望で徐々に増やしていこうかと……」

「私、チョコー‼」

 林田さんの話を最後まで聞かずに、ハイエナのようにチョコアイスを確保。

「アンタねぇ。先輩から選んで貰うのが筋でしょうが。森山さん、何味がいいですか?」

 私を注意しつつ、目線がバニラアイスに固定されている美知さんに、

「私は抹茶を頂くわ。抹茶、大好き。大人の味。大人は抹茶よ‼ ていうか、二人とも林田さんの話聞いてた? 患者さんからのリクエストがあれば、フレーバー増やすんだって」    

優しい森山さんは、クスクス笑いながら抹茶アイスを手に取り、林田さんの話を拾った。

「美味しい‼ 全然物足りなくないじゃないですか、林田さん」

 にも拘わらず、美知さんは早速口にしたバニラアイスの味に感激し、

「チョコもヤバい‼ ビターな感じ‼ オシャレな味がする‼ オシャレに無関心そうな林田さんのアイスから、オシャレな味がする‼」

 私も私で、「一口食べてみて‼」と、美知さんと森山さんにチョコアイスの回し食いを勧めて大はしゃぎ。