最期の晩餐

「このハンバーグ、どうやって作ったの?」

 楠木さんは、謎だったお母さんの味の正体が気になるらしく、ハンバーグに顔を近づけてまじまじと見つめた。

「ハンバーグの素を投入させて頂きました」

 遂に楠木さんの答えを叩き出せたことに大満足し、胸を張って答えると、

「……何だよ。お母さん、愛情ないなー。手抜きじゃん」

 楠木さんは、急に白けた顔をして箸を投げるようにコロンとトレーの上に転がした。

「どこが? 愛情たっぷりやん」

 楠木さんが手放した箸を掴み、「具合が悪いわけじゃないなら、もう少し食べましょうよ」と楠木さんの手を取り、握らせた。

「どこが? 愛情があったら市販の素なんか使わずに下味から全部自分でやるでしょ」

 しかし、楠木さんは食べようとしない。

「楠木さんのお母さんって、看護師さんだったんですよね? 忙しくて料理をする時間の確保が難しい。でも、愛する娘に自分の手料理を、尚且つ美味しいものを食べさせたいって思ってハンバーグの素を使うのは、手抜きかな? 愛情ないかな? 私は楠木さんのお母さんは滅茶苦茶素敵なお母さんだと思うけどな」

 楠木さんと自分の愛情の受け取り方の違いに「そういう考え方もあるのね」と考えさせられながらも自分の考えを述べると、