最期の晩餐

「二十六歳でホスピス……。若いのに……」

 心優しい隼人はまず、ハンバーグではなく患者さんに思いを馳せた。

「ウチの母さんのハンバーグは、大概チーズが入ってた。俺が好きだから。テストの点数が良かった時は、それに目玉焼きが乗っかってたり……。懐かしいな」

 隼人のお母さんは今、乳がんを患って入院中だ。

 暫く母親の手料理を食べられていない隼人に、無神経な質問をしてしまったかなと、後悔しながら隼人の背中を摩ると、隼人が私の肩を掴んで抱き寄せた。

「食べさせたいね、お母さんのハンバーグ」

「うん」

 隼人の胸に顔を埋める。

「奈々未と同い年ってことは、給食とかお菓子とか、俺らと同じようなものを食べてきたってことだよね」

「そうだね」

「その患者さんのお母さんって、何されてた人?」

「看護師さんだったらしい」

「忙しかっただろうね」

「そうだね」

「…………」

 隼人がテーブルに置いてあったスマホを手に取り、何かを調べ始めた。そして、

「これ、使ったんじゃないかな?」

 隼人がスマホの画面を私に見せた。

 そこには、いろんな会社が出している色々な種類のハンバーグの素が映し出されていた。