受験はいよいよ今日。

お母さんに必死にお願いしたら、なんと許可をしてくれた。

理由は単純で、
人気アイドルになると収入が良いから。

まぁ、お母さんの考えと関係なしに!

今日はやりたいことを叶える日。
全力を出し切ろう!

ーのはずが…。

「名前は?」

面接があるなんて聞いてないよ…!!

入試問題が終わって帰れると思ったのに。

「アイドル志望の方は残ってください。」

元々面接なんて伝えられていなかった。

つまり、抜き打ち面接。

とにかく、面接に受からなきゃ…!

「どうしてアイドルになりたいんですか。」

面接官が質問してくる。

「みんなに、夢と希望を与えたいからです。」

「私、親から虐待を受けていて、

学校では友達から虐められているんです。

先生も見て見ぬふりをされていて…。

みんなから見放された、そう思ってたんです。


そんな時、アイドルを知って
久しぶりに笑顔になれました。」

「それに、私に希望をくれたアイドルは、
私の悩みを真剣に聞いてくれて…。

辛いことがあっても立ち向かう姿、
本当に憧れです。」

正直に答えると、面接官は微笑んだ。