私の顔を乗っ取った人面瘡が陽キャで困っています。

「僕のせんせいは、白衣が似合うクールガーイ」
人面瘡がところかまわずしゃべり出すので、私は電車にも乗れません。
私は顔半分を三重のガーゼでおおい、その上から急ごしらえの白いヴェールをかぶり、歩いて5駅先の学校へ向かいます。
おかげで、身体だけはすっかり健康に。
そして、

「生え際気になる30代」
「シメるぞ」
「私じゃありません」
授業にも出られないので、保健室登校です。
うちの高校の保健の先生は、人面瘡の言う通り、ふわふわで短い黒髪が似合う長身で体格の良いクールガイです。銀縁のメガネと白衣が白い肌に似合っていて知的さがましまし。声は低めでかすれていますが、聞き取りやすい発音をするので校内でも人気者です。

初夏のにおいが開け放した窓から入り込み、窓辺のシャコバサボテンが喜んでいるように見える。昨日より葉っぱ伸びた? いつもカニに似てるね。赤い花が少しずつ咲きはじめて綺麗。
「しかし、その人面瘡にも困ったものですね」