向かい側には母が座っている。食事を終えたらすぐに会社に出かけるため、フルメイクでスーツ姿で、長い茶色の髪もビシッと後ろでひとつにまとめている。
対して私は、伸ばしっぱなしの黒髪が背に届き、顔半分を謎の生物に乗っ取られたため、重い前髪も必死で伸ばしている。毎日天気がよくて暑いくらいなので結びたいのだが、人面瘡があるため、髪でなんとか隠そうとしている。
「聞いてよ。この子ったら、何にも話してくれないんだよ!」
「年頃の女の子って言ったらぁ、そんなもんですよぉ、お母さーん」
「……」
人面瘡に子育て相談するな! 母さん!
そして人面瘡も答えるな!!
私の顔右半分をおおう灰色と茶色が混ざったような醜いケロイド状の人面瘡は、やたらめったらに陽気だった。なんとかの叫びって絵に似ている。
「好きな子の話とか、好きな子の話とか、好きな子の話とか」
「……」
「だぁいじょうぶ。お母さん。この子の好きな子は、超イケメンの優しい子ですから」
「!?」
何で知ってんだおまえ!!
私はあわてて顔の右半分を引きはがそうとするが、人面瘡はつやのある低音イケメンボイスで歌を歌っている。うますぎ。プロの歌手みたい。昭和にはやった歌がうますぎる歌手に声のニュアンスがちょっと似ている。
「あら、今度うちに連れて来なよ。その子」
「……」
なんか、イメージしていた人面瘡と全然違う。何でこんなに陽キャなんだ……
対して私は、伸ばしっぱなしの黒髪が背に届き、顔半分を謎の生物に乗っ取られたため、重い前髪も必死で伸ばしている。毎日天気がよくて暑いくらいなので結びたいのだが、人面瘡があるため、髪でなんとか隠そうとしている。
「聞いてよ。この子ったら、何にも話してくれないんだよ!」
「年頃の女の子って言ったらぁ、そんなもんですよぉ、お母さーん」
「……」
人面瘡に子育て相談するな! 母さん!
そして人面瘡も答えるな!!
私の顔右半分をおおう灰色と茶色が混ざったような醜いケロイド状の人面瘡は、やたらめったらに陽気だった。なんとかの叫びって絵に似ている。
「好きな子の話とか、好きな子の話とか、好きな子の話とか」
「……」
「だぁいじょうぶ。お母さん。この子の好きな子は、超イケメンの優しい子ですから」
「!?」
何で知ってんだおまえ!!
私はあわてて顔の右半分を引きはがそうとするが、人面瘡はつやのある低音イケメンボイスで歌を歌っている。うますぎ。プロの歌手みたい。昭和にはやった歌がうますぎる歌手に声のニュアンスがちょっと似ている。
「あら、今度うちに連れて来なよ。その子」
「……」
なんか、イメージしていた人面瘡と全然違う。何でこんなに陽キャなんだ……



