憂いにひだまり


「春束は?」
「えっ?」
「春束は、何の仕事してんの?」

優木くんの質問にわたしは少し迷った。

そして、迷った挙げ句「んー、カウンセラー、的な?」と答えたのだ。

「"的な"?しかも、何で疑問形なんだよ。」

そう言って笑う優木くんは、「"的な"ってことは、カウンセラーではないんだ?」と言った。

「、、、まぁ、何というか。」
「あ、言いたくなかったら、無理に答えなくてもいいよ。」
「いや、そうじゃないの!別に怪しい仕事してるわけじゃないんだよ?!」

優木くんに誤解されたくなくて、わたしが必死にそう言うと、優木くんは笑いながら「分かってるって。」と言った。

「、、、笑わない?」
「何で人の職業聞いて笑うんだよ。」
「わたし、、、自分の本当の職業、誰にも言ったことなくて。」
「俺は、笑わないよ?」

柵に腕を乗せ、わたしの顔を覗き込むようにそう言う優木くんの表情は、優しかった。

そして、わたしは初めて、自分の本当の職業を優木くんに告げた。

「わたし、実は、、、占い師、してて、、、」

わたしがそう言うと、優木くんは目を丸くして「占い師?」と驚いていた。

「あー!やっぱりおかしいと思うよね!」

あぁ、、、やっぱり言わなきゃ良かった、、、
そう後悔してる時だった。

「すげぇ!占い師の知り合いって初めて!」

えっ、、、

わたしは優木くんの意外な反応に驚いた。

自信を持てず隠してきた職業を"すげぇ!"と言ってくれた。

わたしは"何それ"とか"はっ?"とか"インチキ"とか、そうゆうことを言われるんじゃないかと思っていた。

でも、優木くんは違った。
わたしの職業を馬鹿にせず、受け止めてくれた気がした。