憂いにひだまり


「え、、、」

優木くんの言葉に固まるわたし。

優木くんの好きな人が、、、わたし?

一瞬フリーズしてしまったが、わたしはハッと我に返り「分かりました。じゃあ、彼女の気持ちをみてみますね。」と言い、タロットカードを手に取った。

わたしはタロットカードをシャッフルすると、ケトル十字のスプレッドを使ってカードを並べていった。

それを見ていた優木くんは「かっこいいですね。」とボソッと言葉を口にした。

「これで、彼女の気持ちが分かるんですか?」

優木くんがそう訊くので、わたしは「はい。」と頷いた。

「まず、一つ言えることは、、、彼女もあなたのことが好きですよ。」

わたしがそう言うと、優木くんはハッとした表情で「本当ですか?」と言った。

「はい。ただ、、、不安なことがあるみたいです。」
「不安なこと?何ですか?」
「、、、自分の他に、違う女性が居るのではないかと、思ってるみたいです。」

わたしはタロットカードを関係なく、自分の気持ちをぶつけた。

すると、優木くんは「そんな人いません。」と言った。

「先日、、、彼女ではない、他の女性と会った記憶はありませんか?」

わたしは思い切って、そのことを口にした。

優木くんは「他の女性、、、?」と呟きながら、考え込んだ。

「どこかのオブジェの前で、女性と待ち合わせをしませんでしたか?」

わたしがそう言うと、優木くんは何かを思い出したかのように「あっ、、、!」と言った。

「先日、久しぶりに姉と会いました。」

そう言う優木くんの言葉に、「えっ?」とつい心の声が漏れてしまう。

あの綺麗な女性は、、、優木くんのお姉さんだったの?