憂いにひだまり


そんなことがあり、自分の気持ちが乱れていたとしても毎日悩みを持ったお客さんはやって来る。

わたしは何とか気持ちを仕事モードに切り替え乗り切っていった。

そして日曜日。
この日は、休憩を取る暇もないくらいビッシリ予約が入っていた。

開店10時から始まり、閉店19時でやっと18時からのお客さんが最後だ。

はぁ、、、疲れた。
でも、あと一人。頑張ろう。

そう思いながら予約リストを確認すると、お客さんの名前が記載されている欄に"優木"と書かれていた。

え、優木?
そんなたくさんいる苗字ではないけど、、、まさかね。

わたしは最後のお客さんの来店を待ちながら、前のお客さんに出した飲み物を片付けていた。

すると、お店のインターホンが鳴る。

あ、お客さん来た。

わたしは「はーい、いらっしゃいませ!」と言いながら、玄関のドアを開けた。

「え、、、」

わたしはドアの向こうに立っているお客さんを見て、一瞬息が止まった。

「今日は宜しくお願いします。」

そう言い、そこに立っていたのは優木くんだったのだ。