憂いにひだまり


「えっ!!!ついに彼氏できた?!」

真佳の驚き様にわたしは苦笑いを浮かべ、「いやいや、まだ付き合ってはいないよ。」と言った。

「えー!どんな人なの?!」
「んー、、、真佳も知ってる人。」
「え?わたしも知ってる?ってことは、高校の時の誰かってこと?」
「まぁ、、、」
「えー、誰だろう?ヒントは?」

真佳の質問にわたしは静かに「、、、お医者さん?」と言った。

「、、、え、嘘でしょ?!まさか優木くん?!」

真佳の言葉にわたしはゆっくりと頷くと、真佳は口を押さえながら「ええええー!!!」と叫んでいた。

「え!あの優木くん?!どこでどうやってそうなったの?!」
「わたしが二次会の時に外で休憩してたら、優木くんも来て、、、話してたら、意気投合した、みたいな?」
「やばー!優木くんゲット出来たら玉の輿じゃん!」
「ゲットって言い方、、、!」

そんな話をしながら盛り上がり、わたしたちは夕方手前の時間帯に解散したのだった。

久しぶりに真佳と話せて楽しかったなぁ。

そう思いながら、買い物をしてから帰宅しようと歩いていると、よく待ち合わせで使われるオブジェの前に優木くんが立っているのが見えた。

あれ、、、優木くんだよね?
今日って、午前診療だけだったのかな?

そう思い、声を掛けようとした時、、、

「理人ー!」

優木くんをそう大きな声で呼びながら、優木くん目掛けて駆けて行き抱きつく女性の姿があった。

少し遠目からだから何を話しているのかは聞こえないけど、仲が良さそうに見えた。

相手の女性、綺麗な人だなぁ、、、
誰なんだろう、、、

わたしはそんな二人の姿に、何だか裏切られたような気分になり、クルリと向きを変えて歩き出した。

別に優木と付き合ってるわけじゃない。
わたしは優木くんの彼女じゃない。

だから、優木くんが誰と会おうと自由だ。

だけど、、、わたしはショックだった。
もうわたしは、優木くんのことを好きになってしまったから。