憂いにひだまり


優木くんとのそんな関係が続き、わたしの中で優木くんの存在が段々と大きくなっていくのを感じていた。

気が合うし、ストレスなく話が出来て、一緒に居て落ち着くし、楽しい。

わたしの中で、久しぶりに"恋"というものをしている気分になっていた。

そんなある日、結婚式以来に真佳から連絡があり、ランチをすることになった。

「はい!お土産!」

ランチタイムのレストランに入り席に着くと、真佳は新婚旅行のお土産を渡してくれた。

「あ、ありがとう!新婚旅行、ハワイ行ったんだっけ?」
「うん!海キレイだったよー!」
「いいなぁ〜。で、新婚生活の方はどう?」

メニュー表を開きながらわたしが訊いた。

真佳はその言葉にムッとした表情を浮かべると、「それがさぁ!」と旦那である小谷くんの愚痴を言い始めた。

「俊介ったら、脱いだ服は脱ぎっぱなし!靴下も丸まってそこら辺に転がってるし、何度言っても"分かった"って言うくせに全然直そうとしてくれないの!わたしは、俊介の母親じゃないっつーの!」

わたしは惚気を聞くつもりで訊いたのだが、出てくるのは愚痴ばかりだった。

まぁ、交際期間が長いからそんなもんなのかな。

わたしは真佳の愚痴を聞きながら、飲み物とピザを注文し、こんな愚痴が出てくるのも相手が居るからであって、不満を口にする内は幸せなのかも、なんて思った。

「そういえば、咲弥の方はどうなの?」
「えっ?わたし?」
「ずっと彼氏いないじゃない。良い人いないの?」

ピザを頬張りながら真佳が言う。

わたしはアイスティーをストローでクルクルと回しながら、「まぁ、、、居ないこともない。」と答えた。