憂いにひだまり


それからわたしたちは、毎週水曜日の午後から会うようになった。

毎回、優木くんの自宅で一緒にご飯を作り、ご飯を食べながらお酒を飲み、語り合う。

その時間がわたしにとって、毎週の楽しみになっていた。


そんなある日の水曜日、優木くんから「今日、診療の他に予防接種の予約も入ってるから、少し遅くなる。ごめん!仕事終わったらすぐ会いたいから、うちのクリニックまで来れる?スタッフオンリーって書いてる裏口から入っていいから!」とLINEが届いた。

その下には、優木くんが開院してる病院の住所とマップの画像が添付されていた。

"仕事終わったらすぐ会いたい"

その言葉が嬉しくて、わたしは「わかったよ!」と返信したのだった。

それからわたしは支度をすると、いつもの待ち合わせ時間と同じ17時に待ち合うよう、住所と画像を頼りに優木くんの病院を目指した。

「多分、この辺だと思うんだけど、、、」

と呟いていると、大きなマンションに囲まれた一角に清潔感がある白い平屋の建物があり"ひだまりこどもクリニック"と書かれていた。

あ、ここだ。優木くんの病院。

"ひだまりこどもクリニック"かぁ、、、

何か、優木くんらしい、温かいイメージがある名前だなぁ。

そう思いながらわたしは建物の裏側に回った。

すると、そこには"STAFF ONLY"と書かれた扉があった。

ここから入っていいって、ことだよね?
部外者のわたしが、本当にいいのかな?

そう思いつつ、わたしはその扉のドアノブに手を掛けた。