憂いにひだまり


「じゃあ、今は占い師の稼ぎだけで生活してんの?」
「まぁ、何とかね。最初はアプリの占い師から始めて、リピーターさんが増えてきたから、今は個人経営してる。」
「マジ?すげぇー!それだけ信頼されてるってことじゃん!」

優木くんが言う"信頼"、、、
確かにその通りで、占い師はお客さんからの信頼が一番大切だと、わたしは思っているので、優木くんからその言葉が出てきたことが凄く嬉しかった。

「占い師は、信頼が大切な仕事だと思ってるからね。」
「それは同感だなぁ。俺もさ、医者と患者さんの間には信頼が必要だと思ってる。だって、信頼出来ない医者に自分の大切な子を診てもらうなんて不安だろ?だから、そこは大事にしてる、、、。何か、春束とは話して共感出来る部分があるし、気が合うな!」

そう言って、優木くんはわたしに微笑みかけた。

嬉しかった。
優木くんに"気が合う"なんて言ってもらえて、わたしは心の中で飛び跳ねた。

でも、わたし自身も優木くんと話をしていて、共感できる部分がたくさんあって、職種は違うけど人と向き合う仕事をしている者同士で勉強になる話もあった。

優木くんと話していると、ストレスなく、いつまででも楽しく語り合えるような気がした。

「出来たぞー!」

優木んはあっという間にアヒージョとチキンのグリル焼きを作ると、テーブルの上に並べ、わたしに「ワイン、赤と白どっちがいい?」と訊いた。

「じゃあ、白!」
「おっけ!」

そして、白ワインを持って来て、ワイングラスに注いでいく。

わたしたちはワイングラスを持つと「乾杯。」と静かにグラスを当て音を鳴らした。