きっとこの恋は忘れない。

翌日、病室の窓から外を見たら、また河川敷に誰かがいた。
寝転がって、空を見てる。

満桜だった。

私はこっそりと、また病院を抜け出した。
昨日よりは慎重に、そして胸に手を当てながら、ゆっくりと歩いた。

「また来たんだ」

「またいたねぇおはよリナちゃん」

その日は、昨日よりちょっとだけ長く喋った。
他愛もない話。
好きな食べ物とか、入院食がまずいとか。
どれもくだらなくて、どうでもいい話。

でも、その時間が、とても大切に思えた。

しばらくして、満桜が慌てて時計を見て立ち上がる。

「やば、看護師さんに怒られる。探されてるかも」

「帰んないとね」

「その前に――携帯……あ、忘れた。最悪」

「なにそれ」

「だから、明日もまたここで。リナちゃん明日も来てくれるでしょ?」

ずるいなぁこの子は
正直名前しか知らないのになんでか引き込まれる
年齢もどこに住んでるのかも分からないのに


えくぼを浮かべて笑うその顔に、私は少しだけドキッとした。
だけど、自分の胸がバクバクしてるのは病気のせい――そう言い聞かせた。