───……車を走らせること15分
着いたのは……水族館だった。
昔は家族でよく来ていた水族館。
幻想的なあの空間が大好きだった。
先に車をおりたレンさんに手を差し出された。
戸惑いながら手を取るわたしに口角を上げ車から降ろしてくれた。
『レンさんここって……』
「水族館、行きたかったんだろ?」
それって……初めて倉庫に呼ばれた日、アキトさんから質問され事を思い出す。
───「ねえねえ、エマちゃんはデート行くならどこがいい?」
───『で、デートですか!?水族館とかですかね…』
……もしかしてわたしが水族館に行きたいって言ったから?
『デート…してくれるんですか?』
「あぁ」
また口角を上げて笑うレンさんに嬉しくてレンさんの手を強く握り返した。
