───…30分後。
地響きのような大きな音を奏でながら黒龍が戻ってきた。


警察におわれているのかさっきよりも人数が少ない。

血走るような目をした先頭集団が目の前を通り過ぎる。


その少し後をレンさんが通った。


また、目が合うかと期待した。
わたしを見てくれるかもと…。

でも、当然目なんて合うはずもなく。
声なんて掛けられる訳もなく、今日も素直に帰ることにした。


その日もシホとカラオケに向かった。
こんな遅くに家に帰ってもしょうがないから朝までカラオケで時間を潰すのが走りの日のルーティンになっていた。