───…ヒンヤリとした夜風を浴びながらレンさんの腰へ手を回す。
2度目のバイクの後ろは前回よりも景色を楽しむことが出来た。
相変わらず信号待ちの度気にかけてくれるレンさんに嬉しさが溢れ出ないよう、腕に力を込めた。
家に何も無いからと今日もコンビニに寄ってくれた。
歯ブラシセットを手に取るわたしに、
「この前のがあるだろ?」
なんて言うもんだからビックリして手に持った歯ブラシセットを落としそうになった。
それはまるで、またわたしを家に呼ぶつもりだったと聞こえちゃうよ……。
……勘違いしそうになる。
レンさんにとってわたしなんて遊びの中の1人なのに…。
本気にしちゃダメだ……。
大きなタワマンのエレベーターの中、自分に言い聞かせた。
