【完】オキナグサに愛を込めて



───……無言で渡されたヘルメットを受け取る。

『あの、今日もいいんですか?』


「俺が呼んだんだから気にすんな」


いいから早く乗れと目で言われてるようで、それ以上何も言えずお礼を伝えバイクに跨る。


「俺ん家でいいな?」


『…え、は、はい。』


肯定しか許さないような目と声につい答えてしまった。
それにそもそも、シホと別々で帰る以上わたしに選択肢は無かった…。



……今日もレンさんの家に…。
ここ最近の出来事が信じられない事ばかりで、もう考えるのも辞めようと思う。


いつこの夢が醒めてもいいように、この時間を楽しもう。

そう心に決めレンさんの家へ向かう。