───……。
「エマちゃんって、もしかして結構鈍い?」
「はい。そりぁもう……。」
ユウキさんの問に苦笑いで返すシホ。
「そうだよなぁ。俺のラブコール全然届いてないもんなぁ。」
肩を落とすアキトさんを他所にユウキさんが続ける。
「レン、大変だろうなぁ」
大きく頷くシホ……。
アキトさんを除くその場の全員がレンさんに同情した。
「そういえば、どうしてレンさんはエマを?」
「あぁ、それはね───……」
この日の会話を、ユウキさんの返答を、わたしは知る由もなかった……。
「さ、シホちゃん送るよ」
「えーいいんですか!」
シホがイチジョウさんに送って貰ったって話を聞くのもまだ少し先の話し。
