【完】オキナグサに愛を込めて



「エマちゃん!待ってたよ〜」

子犬みたいにウルウルした目でこちらを見つめているのはアキトさん。


「隣はエマちゃんのお友達?」

頭にハテナを浮かべて首を傾げているユウキさん。


「宝来志帆です。よろしくお願いします!」


「ホウライってあの…?」

ムラサメさんの声初めて聞いた…。

それにあのって何なんだろう…。


「あっ…皆さんご存知ですよね…」

バツが悪そうにするシホにアキトさんが続ける。


「エマちゃんのお友達があの宝来組のお嬢様だったなんて、エマちゃんやるなあ〜」


……宝来組??


「エマには怖がらせたくなくてあまり話してないんです…」


「そうなんや!そうだな、エマちゃんは知らなくていい!」


シホの言葉にうんうんと大きく頷くアキトさん…。