【完】オキナグサに愛を込めて



「座ってろ」


リビングに通されたわたしはレンさんに言われるがままソファーに腰を下ろした。


少しして部屋着に着替えたレンさんがわたしの隣へ腰を下ろした。


レンさんの手は大きくて温かい。
頭を撫でられるその行為に幸せを噛み締めていると、レンさんと目が合い



……それから唇が重なった。


この家で久しぶりのレンさんとのキスは、


「しょっぱっ」


わたしの涙でしょっぱかった。


角度を変えて何度も唇が重なる。
会えなかった時間を埋めるようにわたし達は求めあった。


時折レンさんに涙を拭われる擽ったさを感じながら、唇から伝わるレンさんの温もりに身を任せた。