……久しぶりのレンさんのバイク。
風に乗ってダイレクトにレンさんの香りが届く。


ヒロくんとバイクの大きさもスピードもあまり変わらないはずなのに、なんだかレンさんの後ろはこのままずっと遠くに行きたい気持ちにさせる。


久しぶりのレンさんが嬉しくてつい腕に力を込めてしまい、それに気付いたレンさんはスピードを落としてくれた気がした。



……倉庫からしか行ったことなかったから気付かなかった。

見慣れた景色に気付いた頃にはもうレンさんの家の近くだった。


「いくぞ」


先にバイクを降りたレンさんの手を掴み、わたしもバイクから降りて、それからそのまま手を引かれレンさんの部屋を目指す。